Wheelchair for art viewing

美術館のための電動車椅子

 

美術鑑賞は豊かな心を生み、生活の質を高めます。しかしながら美術館では長時間の歩行や立ち姿勢での鑑賞を強いられるため、高齢者や身体に不自由のあるユーザーは快適に利用できない現状があります。また、従来の車椅子は座面高が約 430mm と低いため、作品を見上げてしまったり家族や同伴者との見え方に差が生じたりと様々な問題が発生しており、鑑賞体験や周囲とのコミュニケーションは考慮されていません。そこで利用者の安全性や周囲との関係、絵画作品の展示基準を基に座面高を 600mm に設定した車椅子を制作しました。地面から 170mm の位置に設けた昇降ステップ、地面から 750mm、座面先端から 50mm 前方の位置に設けた手すりによって安心して座面へアクセスすることができます。利用者が恐怖感を抱くことなく最適な鑑賞体験を得られるよう検証を重ね、車椅子に対するネガティブなイメージを払拭するデザインを目指しました。

この車椅子は、開かれた新しい美術館を体現する金沢 21 世紀美術館への導入を想定し、美術鑑賞スタイルのあり方や電動車椅子の運用管理、空間に馴染むデザインについて美術館職員や学芸員の方々と意見交換をしながら制作しました。ユーザー検証においては特別擁護老人ホームの皆様にご協力いただき、身体の不自由な高齢者と共に検証、評価を行いました。

 

 

 

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2016年 コンセプト

協力 金沢21世紀美術館   天童市美術館   特別養護老人ホーム万陽苑   金沢福祉用具情報プラザ   石川バリアフリーツアーセンター   ナカムラ室内装備

JID AWARD 2016 NEXTAGE部門賞